「無理せず自然体で」「自分らしく」という言葉は一見心地よく聞こえます。けれど、本当に無理をしないで人は成長できるのでしょうか。私は少し疑問です。
成長の瞬間には、必ず少しの無理や負荷があります。新しい技術を覚えるとき、慣れない接客に挑戦するとき、責任ある役割を任されたとき。どれも心地よい範囲を超えるからこそ、力がついていきます。無理を避け続ければ、今のままの安心は得られても進化はありません。
ただし、無理には2種類あります。未来につながる「前向きな無理」と、心や体を壊してしまう「過度な無理」。経営者や幹部がすべきは、スタッフが前向きな無理に挑戦できるよう環境を整え、過度な無理を見抜いて支えることです。
成長とは、ほんの少し背伸びした手の届きそうなところにしかありません。無理を避けて通れば現状維持に留まり、前向きな無理に挑めば未来が開ける。経営の使命は、この挑戦を応援し続けることだと私は思います。