経営をしていると「失敗したくない」「間違えたら恥ずかしい」と思う瞬間が誰にでもあります。美容室の現場でも営業マンでも、お客様の前に立つ以上、完璧でなければならないという気持ちが強くなるでしょう。だからこそ、新しいことに挑戦するのを先延ばしにしたり「準備が整ったらやろう」と自分を守ろうとするのです。
しかし私は思います。間違えることは、後回しにするよりもずっと良い。なぜなら、挑戦して間違えた経験の中にしか、本当の学びはないからです。
新人営業担当者は言葉に詰まる事、お客様からの質問に答えられなかったり曖昧に受け流す事でお叱りを受ける事もあるでしょう。それでもその失敗を通じて「次はこうしよう」と身につけていく。完璧になるのを待っていては、いつまで経っても一歩を踏み出せません。経営も同じで、計画ばかり立てて実行を後回しにしている間に、時代やチャンスはあっという間に過ぎていきます。
私自身も数多くの間違いをしてきました。投資判断、採用の決断。結果的に「やらなければよかった」と思うこともあります。けれども、間違えたからこそ見えた景色があり、今の判断基準や成長につながっています。後回しにしていたら、その気づきすら得られなかったでしょう。
経営者に必要なのは「間違えない勇気」ではなく、「間違えても前に進む勇気」です。挑戦して間違えた経験は、仲間やスタッフにとっても「失敗してもいいんだ、挑戦することが大事なんだ」という大きなメッセージになります。
間違えることを恐れて立ち止まるより、挑戦して転びながら前に進む方がずっと価値がある。私はそう信じています。