お盆だから、そんな話を。
生前私の親父は個人タクシーのドライバーでした。子供の頃は数えきれない程、何度も何度も車で出かけたものです。親父と2人でどこかへ出かけて、家から少し離れた駐車場で洗車も手伝いました。親父と一緒に洗車して、車が綺麗になって親父に「ありがとうね」って言われるのが嬉しくて。
洗車が終わると、親父はワンカップを車のエンジンにセットして熱かんの準備。その間に近所のお弁当屋さんで、「これ美味いんだぞ」と親父が教えてくれた「かき揚げ丼」のお弁当。お母さんには内緒でね。私にとってかき揚げ丼は、親父と私だけの秘密のご馳走なんです。親父と食べるかき揚げ丼より美味いものを今でも食べた事がない。
親父が60代半ばの頃かな、いつも綺麗にしていた車も古くなり買い替えるか、ドライバーの仕事を引退するのか迷っていた頃のこと、母親がこんな話をしてくれました。
「お父さんね、お客さんに、こんな古い車でって言われたみたい」親父が乗せた客からこう言われたそうです。きっと親父は相当悔しくて母親に話したんだろうと思います。
思い出しただけで今でも腹がたつ。どこのどいつか知らないがいつか見てろよ「絶対に俺が見返す」。
大好きな親父と大好きな親父の車に文句ある奴は俺が追い込む。どこのどいつか知らないが、お前が乗れない様な、お前が近づけない様な高級車で必ずお前を見返す。同じ言葉を俺に言ってみろ。血の気の多い昔の自分に戻りそうだ。
俺は30歳にはベンツに乗り、約20年間いろいろなベンツを乗り換えた。いつも黒いベンツで。見た目や社長みたいな肩書き、外側の鎧でしか判断出来ない奴になりたくない。会社が大きくても小さくても、儲かっていても、儲かっていなくても、生き方がカッコいい奴に魅力がある。
UNIQLOを着てカッコいい奴、ブランドを身に付けカッコつけたい奴は全く違う。
成功したらカッコつける奴になるくらいなら、成功する為にカッコつける生き方がいい。そうやっていつも生きてきた気がする。成功にゴールなんてない。あるとしたら死ぬ時にどう思うか。