N式教育理論6「アプローチを理解する」

N式教育理論6回目の発信です。前回は「アポイントを理解する」でしたね。今回のセールスプロセスは「アプローチを理解する」です。いつも通りREPSS社、営業職の記述ですので、美容師さんは美容室の教育に置き換えてイメージしてくださいね!今回の内容は美容師さんにとって「カウンセリング」に通じる内容だと思いますので参考にしてください!

アプローチ(AP)を理解する

実が営業職の方でアプローチに自信があるという人は限りなく少ない様に思えます。アプローチという技術が難しいが故に「提案」という、私から言わせれば「押し売り」に変換してしまう残念な営業さんを多く見てきました。これは営業さんに問題があるのではなくて、営業教育が出来ない会社に問題があると私は思えます。

アプローチは最も重要なスキルです。アプローチとは「距離を縮める」「きっかけ作り」という意味ではありません。

お客様にとって必要な情報か?お客様にとって価値があるのか?必要性をさほど感じていない時や、すごく欲しいと望んでいない状態であったり、「やってみたい」「必要だ」「欲しい」と感じていないのに、必死に商品の提案やプレゼンテーションを行っても「検討します」と優しいお断りを経験した事はありませんか?

お客様が関心のある事柄を聞き出す上で「関心事(カンシンジ)」という対話をしてみるのも良いかもしれません。ソニーでは11のニードと題していましたが、REPSS社のお客様は美容師さんがほとんどです。美容業界ならではの課題やトピック、旬な情報を準備するのはSNSやネットニュースからだけではなく、自分で集めた情報や社内共有された情報が鍵となります。

お客様のニード(欲しい/必要)

目の前のお客様が、元々欲しいと思っている商品や情報やスタイルであれば、アプローチもプレゼンテーションが上手でなくても、購入決定や、やってみたいと意思決定をしてくださるでしょう。仕事の醍醐味は、お客様が喜んでくださる事、お客様が笑顔になってくださる事、迷っているお客様に私が伝える事で意思決定してくださった瞬間ではないでしょうか。

喜んでいただく前の段階を分析してみると、こういう様な事が想定できます。実は悩みがある場合でもケースはさまざまです。ちょっとした悩みから、あまり人には言いづらい悩み、美容室経営者であれば経営上の悩みやスタッフに対する悩み。考えると、悩みの無い人の方が少ないのではないでしょうか?特に会社の社長であれば尚の事です。

私達が提供したいと考えるサービスは「解決」です。しかしその「解決」とは「問題」が明確でない限り効果は半減かゼロに等しくなります。つまりアプローチとは「問題提起」の事を言います。

アプローチの重要性

問題提起の無い「提案=プレゼン」は無意味です。どこの会社にも当てはまる様な同じ提案も無意味です。一方で、問題を問題と感じていない方も実際にいらっしゃるのも事実です。問題の捉え方を共通認識として書いておくと「問題(イメージの場合もあります)とは、【目標と実態の差】」だと考えます。問題とはこの「差」の事であって、解決とはこの「差を埋める」事です。

お客様が感じている問題と、こちらが伝える事で気づく「潜在的な問題」もあります。目の前のお客様にとってすぐにでも解決するべき短期的な問題と、中期的な問題、中には長期的な問題を抱える場合もありますが、コロナが未来を見えづらくした事で、長期課題よりも短期・中期課題の抽出をして解決する事が増えました。

アプローチの共感

例えば美容室社長の悩みの中で同じ話を聞きます。「幹部の独立」「スタイリストの委託・フリーランス移籍」など。時間を掛けて共に成長を志したスタッフが、報酬と自由を得るために離職する。悩みというより残念という気持ちでいっぱいでしょう。今後できる限り無くしていきたい状況のはずです。ここでイメージと実態の差が生じたわけです。

お客様にとって必要だと感じているが、よく分からないモノやコトを「なるほど」と共感があったり、前のめりになる程の興味を持っていただけるような、「必要性」という部分の理解が深まる何かをほんの数分で伝達できたら、お客様の表情は明るくなるでしょうね。それが高度なアプローチとなります。

お客様が、深層心理を打ち明けてくださるのか、ちょっとした迷いの話をしてくださるのかは分かりませんが、私達の姿勢や伝え方次第で、最初はお話しくださらなかった方も、2度3度お会いする度に話が深くなっていく事も多くあります。今ではブログやSNSを通じて、人となりを見れる時代なので、昭和時代よりスムーズなのかもしれません。

アプローチという問題提起をあまりにもダイレクトにお伝えする事は配慮に欠けますが、私達のアプローチで内心は共感しているけれど、心を開いて何でも話す間柄ではない事もあります。けれどそれで今は良いと思うのです。アプローチという問題提起に対して、共感いただける事が1つでも2つでもある場合、その問題を先延ばしにする理由はどこにも見当たらないでしょう。信頼関係は簡単に築き上げられる事でありませんからね。アプローチの共感があって、少しずつでも信頼関係が出来てきた時は嬉しいですね。

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